幼い頃、私は板前をする父の仕事場の傍らで、いつも父の料理する姿を見ていたように思う。
薄く薄く、透き通る程薄く桂むきされた大根がけんになっていく様だとか、どでかいお鍋で炊く高野豆腐のいい匂いの湯気や、木型をぎゅーっと体重をのせて押して押し寿司が出来るとこ、サツマイモを彫って七福神ができていくところ、飽きずに毎日見てたっけ。
ある時、父がでっかいハマチの首をザクっと落とし、おろしていく姿を見ていて、ふと疑問を抱いて聞いたことがある。
「お父さんは毎日毎日こんなに魚を殺して魚のオバケは恐くないん?」って。
躊躇なく
「やけん、無駄にせんように美味しいに作るんや。」
と返事が返ってきて、それはずーっと心に残ってる。
さて、私は好き嫌いがほとんどない。
ベジタリアンでもないし、オーガニックへのこだわりも特になし。
地産地消はしてるけれど、でもわざわざしてる訳じゃなくて産直へ行けば地元のいい野菜が豊富なのでそれを買って作って食べているだけ。
犬も鯨もきっと機会さえあれば食べちゃう。賛否両論あるのは勿論だし、私も犬は飼ってるけど、どこかの国の食文化を他の国の人がノーと言ってしまっていいのかなと思う。
アメリカのあのジャンクでカラフルな食べ物だって全然平気で楽しかった。(8キロ太ったけどー。)
いいとか悪いよりも先に、美味しく食べて食べ物に、作ってくれた人に感謝しましょうよ。無駄にせず自分の血や肉にしましょうよ。という気持ちがある。
アメリカで2年住んでいたのだけれど、お百姓さんに感謝して米一粒も無駄にしないで食べるとか、誰かの作った食べ物を「ペッ」と目の前で吐き出さないとか、そういう日本人にとっては当たり前の食べ物への敬意がアメリカでは感じられないことが多かったと思う。
週末のパーティーの度にプラスチックの容器がどんどん捨てていかれ、子供が嫌いなものを吐き出しても誰も何も言わず、何だったらみんな座ってさえ食べない。毎日毎日プロテインバーだけしか食べていない人もいる。
私はそこに住んでいたので、簡単に「それは悪い!」という言葉では済ませられない。
いいとか悪いとか以前に、プラスチック容器をどんどん捨てたらもったいないとか地球によくないんじゃないかっていうアイデア自体がアメリカ人にはそもそもないんじゃないかなと思う。
お金で買った食べ物を食べ残して捨ててどうしていけないんだ?ってきっと言う。
それから、どういうものがヘルシーで、どういう風に家族で食事をするべきか、そういうことについてもすごく曖昧なんじゃないかなという気がする。
日本の食に対する姿勢は、世界でもとても美しいものだと私は信じてる。
そのうえ和食はヘルシーで、見た目もキレイで、作る側と食べる側の思いやりに溢れてる。
そういうのを紹介したくて、地味に書いています。
英語でも伝えたいけれど、誤解なく伝えられるかどうかがまだ不安でうまく書けない次第です。誰かの食生活を否定したいんじゃなくて、別のアイデアを紹介したいだけなんだけれど、「食」というのは宗教や主義などの個人的な考え方にも深く関わるものなので、慎重に伝えたい。
みなさんは「食」に対してどういう考えをもってますか?
どうぞこれからも応援よろしくお願いします。
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こんにちは。共感します。私は、両親が戦争を体験した世代だから、なんでももったいないって言って、一口余っても、冷蔵庫に入れて取っておいたりするのを見て育っているので、アメリカの家族がカジュアルに捨てるの見て、敗戦国との違いかな〜と思いました。そういうのって次の世代に何か受け継がれるのだと思います。
ReplyDeleteRimaさん、こんにちは!コメントありがとうございます!
ReplyDeleteアメリカの人達、子供連れでストローラーを押しながら買い物なんかをしてると、ドアを開けてニコニコしながら待っていてくれたり助けてくれたり、そういう優しさや親切さとそれから正義感に満ちた人達のはずなのに、食べ物に関することには意識がまだ低いなと感じます。
食べ物が溢れていて困ったことがない。という面では、最近の日本も気をつけなくては同じかもしれませんね。。。